26 Department of Conceptual Design 地理情報システム、BIM(Building Information Modeling)をツールとして、インテリア空間から都市や緑地などの空間が視覚的にも、環境的にも、経済的にも持続可能となるコンセプチュアルな空間デザインの手法を研究テーマとしています。 持続可能な空間を創生するには、空間の使用者・利用者の便益、法律、環境保護団体、ならびに出資者、施工者、管理者、あらゆる立場の人々を納得させなければなりません。昨今ではこれに加えて、地域の活性化や国益の追求などの社会的な使命(Social Responsibility)も重要視されるようになってきました。これら全ての条件を満足させる最適な空間の創生は、難解な方程式を解くよりも遥かに複雑なプロジェクトです。この問題に係る技術や学術的な知見を総称して政策工学と呼ぶ事があり、新しい研究分野として注目されています。 その時にツールとして役立つのが地理情報システム(Geographic Information System )です。地理情報システムはコンピュータ上の地図とデータベース、解析プログラムがベースとなっていますが、解析のための簡単な仕組み(方程式など)を考えれば、反復が得意なコンピュータの力を利用して手作業では数十年もかかるような最適解の導き出しを一瞬で終わらせることができます。解析結果も極めて視覚的でかつ直観的であり、空間デザインの分野でも有効なツールとなるはずです。 しかし、地理情報システムの開発や応用を研究する地理情報科学(Geographic Information Science)は主に地理学や都市工学をベースにして発達してきているために、ハザードマップ(自然災害被害予測地図)などに見られるように、活躍の場面は都市空間の2次元的な観察や解析に留まっています。 そこで、地理情報システムの活用をもう少し拡張して、都市デザインやランドスケ ープデザインはもとより、建築デザインやインテリアデザインなどの空間デザインにも応用する事を目指しています(TechnologyとArtの融合)。 そこで注目されるのが、現在業界で脚光を浴びているBIM(Building Information Modeling)との連携です。これは、従来の3D-CADに地理情報システムのベース機能であるデータベース機能を付加した新しいツールです。コンセプターの育成を目指す新しい創生デザイン学科(Department of Conceptual Design)で、新しい空間デザインの手法を創造し、どのようにして活力ある地域空間や社会が創生できるかを考えていきます。 <ゼミナール> ゼミナールでは、GISやBIM、各種シミュレーションプログラムを使用した、グループでの設計競技への参加を行います。 <卒業研究> 卒業研究では、GISやBIMの新しい活用方法を検討すると共に、都市や緑地、商業空間のコンセプチュアルデザインを目的とした、フィールドサーベイや調査・分析を行います。卒業に要する最終成果物としては、論文と制作の両方に取り組みます。 静岡県立清水東高等学校卒/日本大学大学院生産工学研究科建築工学専攻博士後期課程修了/平成14年株式会社環境形成研究所勤務/平成16年日本大学ポストドクター研究員/平成21年日本大学勤務/平成28年~29年イタリア・ボローニャ大学建築学部客員研究員 なかざわ教教授授 中中澤澤きみ公公のり伯伯研研究究室室 40号号館館506室室 Tel:047-474-2474
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