Department of Conceptual Design 25 教教授授 鳥鳥居居とりい塚塚づか崇崇たかし研研究究室室 40号号館館609室室 Tel: 047-474-2615 鳥居塚研究室は、ものつくりという意味でのデザインだけではなく、人々の経験のデザイン、つまり「使うこと」「生活すること」「暮らすこと」「働くこと」をデザインすることを目的とした、人間生活工学やヒューマンファクター(認知心理学、感性工学、人間工学、システム工学、行動学などを活かして人間適合型デザインを考える分野)の研究室です。安全、安心、使いやすさ、わかりやすさ、暮らしやすさ、人間らしさ、などを目的に、いろいろな場面・状況における人間の自然な「感じ方」「情報の捉え方」「ものの見方・考え方」「行動」を考え、「なにがそのように感じさせるのか」「なにがそのように考えさせるのか」を明らかにし、そしてそれらに基づいていろいろなことをデザイン(エクスペリエンスデザイン、システムデザイン、環境づくり、仕組みづくりetc)しようとしています。 この研究室では、もともと、人間のミスなどに起因するトラブルの防止を目的にさまざまな問題に取り組んできました。トラブル防止には、人間がミスを犯す仕組みを知る必要があります。さらに、その仕組みを知るには、人間の行動や、その基となる考え方や感じ方を知る必要があります。 現在はそのような研究のアプローチを活かしながら人々の生活に関連したテーマを多く扱うようになりました。例えばライフスタイルに応じたキッチンや部屋の在り方を考えたり、製品の在り方や製品の警告情報の与え方について考えたり、幼児の成長過程を考えつつ幼児を取り巻く環境やおもちゃの在り方を考えたりしています。この他にも、例えばことばやコミュニケーションに関連したテーマは毎年手がけています。 その中でも、ことばとイメージに関する研究は、ここ数年ドイツの大学との共同研究テーマです。ことばは人間の思っていることが素直に表現されており、人間が何を思い感じているかを探るには最適なのです。 ことばや比喩表現から色や形、方向などを探ったり、 デザインを考えたりしています。ドイツとの交流はもちろん、その他の国とも交流があります。その国の文化を知らないとデザイン活動はできません。したがって生活や産業の場面での比較文化も、研究室で取り上げるトピックの1つなのです。 以上、研究室でとりあげる研究のスタートラインは人間の考え方や感じ方です。今後は、人間を取り巻く社会的な要因を含めて「人間」を考えていくことが課題です。 <ゼミナール> ゼミナールでは人間の行動を促す諸要因を学び、さらに安全・安心、あるいは快適を目指した生活・社会・職場をデザインするにはどうすればよいかについて事例やフィールドワークを通じて考えます。前期は、街歩きを通じて各メンバーが集めてきた事例を発表したりディスカッションしたり、後期は人間工学的測定技法を学んだり、各メンバーが興味あるトピックについて発表したりディスカッションしたりします。 <卒業研究> 上記のようなテーマを手がけている研究室ですので、人間の自然な動きや考え方や感じ方に即した職場環境や生活環境、社会環境をデザインしようというのが卒業研究のテーマになります。上記のほかにも、高齢者でも快適に働けるような職場デザインやワークデザイン、あるいは伝統工芸や高度なスキルの技能伝承の在り方とその方法に関する研究なども行っています。 紙幅の関係で紹介できませんが、この他にも、実はテーマはたくさんあるのです。この研究室は「人間」「社会との結びつき」を大切に考える研究室です。興味のある学生は研究室やHPを訪ねてきて下さい。
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