創生デザイン学科/学習の手引R7
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24 Department of Conceptual Design <ゼミナール> 様々な空間・物を体験したり、調査することで、光・色環境にまつわる問題点や改善点を探ります。対象は屋外内問いません。もちろん、今はないけれど、こういう事があると良いという新たなアイディアでもかまいません。個々が持ち寄る考えを発表してもらい、そのテーマを元に、多様な価値観や視点に立場を置き換えて、ディスカッションを行っていきます。 また、光・色環境の基礎を再度確認するために一冊本を決めて輪講を行います。人にわかりやすく説明したり、伝えたりするためのプレゼンテーションスキルも磨きましょう。 <卒業研究> 卒業研究では、ゼミナールの中で見つけたテーマを具体的に解いていきます。実験・調査を行う場合は、どのような実験・調査方法が良いかを議論し実施します。必要な実験装置を制作することもあるでしょう。設計・制作を行う場合は、その提案が狙ったとおりの効果があるのか、シミュレーションや実測を行い、エビデンスを示して有効性を伝える方法を考えます。 企業や学内外の研究室との研究を通じた交流など、研究室を飛び出して活動する機会が多いと思います。上記のようなテーマや活動に興味がある学生は、研究室を訪ねてきてください。 建築における環境工学について“光・色”を専門に研究をしています。環境工学と聞くと、硬いイメージを持つ人がいるかもしれませんが、簡単に言えば、その場や空間を、快適だと感じさせるためにはどうしたらいいかということを考える身近な分野です。 光や色をどのように扱うかで、空間の印象は大きく変化します。対象物を見たいように見せるといった基本的なことだけでなく、エモーショナルな体験にもその印象を導くメカニズムがあり、それを「光・視環境」という専門領域から工学的に解明し、次の計画やデザインへ生かすために必要な光環境制御の手法を提案します。 例えば、昼光をどのように取り込むかということは、建築意匠や窓装置のデザインに関わり、人工照明でどんな性質の光を作り、どこを照らすのかということは、空間デザインや照明器具のデザインにつながります。他にも、インテリアデザインや景観、更にはサイン計画など、その範疇はかなり多岐にわたります。 そして、建築や空間のデザインに対する発想は、時代と共に変化し、それに答える技術が生み出されています。近年ではLEDや有機ELの登場があげられます。エネルギーの効率の良さはもちろんのこと、器具自体の形態の自由度や、調光・調色など制御にも長けています。このように、空間の照明演出の自由度が増す中、目的に合った計画をいかに自由な発想で生み出していくかが問われています。 時代による変化は続いていきます。学生一人一人が独自の新鮮な視点で、あらゆる人の立場に立った、社会的意義のある研究テーマやデザインを見つけ、取り組んでほしいと思います。その経験が、社会に出たときに、個々の夢を実現する力となることを大切に、ゼミナールと卒業研究を進めていく予定です。 かとうみか教教授授 加加藤藤未未佳佳研研究究室室 40号号館館611号号室室 Tel:047-474-2379

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