58 ・ドライブレコーダのデータ分析によるニアミス発生メカニズムに関する研究ドライブレコーダにより記録された,交通事故やニアミス(事故には至らないものの,事故寸前だった事例)のデータを分析することで,発生メカニズムを解明する研究を行っています.追突や出会い頭のニアミスが発生する直前の車両の状態や前方映像の情報などから,そこに至った経緯を分析することで原因を究明し,その結果を運転支援システムの設計などに反映させます.データ分析には,20万件を超えるデータを収録したヒヤリハットデータベース(東京農工大学スマートモビリティ研究拠点ドライブレコーダデータセンター提供)を用いています(図2).・自動車の運動と制御に関する研究二輪車は自動車と比較して環境負荷が低く,パーソナルモビリティビークルとしても期待されていますが,車体が転倒する可能性があり,運転するのが比較的難しい乗り物です.また,セミトレーラを始めとした大型連結車は,自動車輸送の根幹を担いますが,一般的な大型車と比較して運動特性が異なり,一度事故が発生すると,その被害は甚大になります.そこで,これらの特殊な車両に対して,運転を支援する制御や安定性を向上させる制御について,専用のシミュレーションソフトを用いて検討しています(図3).33..実実験験装装置置ドライビングシミュレータ(Sirius),ヒヤリハットデータベース,車両運動シミュレーションソフトウェア(Simpack,BikeSim,TruckSim)ほか44..そそのの他他その他,詳細については研究室のホームページをご覧下さい.http://www.me.cit.nihon-u.ac.jp/lab/marumo/ (「丸茂研究室」で検索すると見つかります) 最近の社会活動,学生の受賞など・自動車技術会理事,フェロー.二輪車の運動特性部門委員会,ヒューマンファクター部門委員会,日本機械学会交通・物流部門自動車技術委員会等の各委員.RJC(日本自動車研究者・ジャーナリスト会議)の会員.自動車技術会技術部門貢献賞受賞(2017年)・科学研究費 基盤研究(B)(2017~2020年),基盤研究(C)(2024~2026年)・大学院生受賞 自動車技術会大学院研究奨励賞(2018,2019,2024年)・TV出演:BSフジ『ガリレオX』「転ばないバイクは可能か?~次世代コミューターへの挑戦~」・著書:『自動車の操縦安定性-運動性能の力学的理解-(共著)』,コロナ社,2021年図3 二輪車の運動シミュレーションソフト 図2 ヒヤリハットデータベース
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