機械工学科/学習の手引R7
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46 一般的な材料の引張試験などは,非常に遅い速度で試験を行い,ヤング率や引張強度などを測定しています.しかし,実際のプレス成形などは非常に速い速度で加工が行われています.そのため,材料に速度による特性が変化する場合には,正しい速度での試験が必要となります.そこで高速での引張試験や摩擦試験を実施する方法を模索し(図2参照),計測データを材料特性として,数値解析に導入し,解析結果の整合性について検証を試みています.・電気自動車用バッテリーケースの成形技術に関する研究バッテリーの容量の増加を目的としラミネートフィルムのプレス成形技術に関する研究を行っております.材料の特性を評価するための装置の設計を行い,得られた測定データを用いて,成形シミュレーションを行い,成形不良の再現を目標に取り組んでいます.2)リサイクル複合材料・樹脂成形・落花生サヤの樹脂複合材料成形に関する研究千葉県の名産品である落花生は,剥き身以外のさやの部分が産業廃棄物として捨てられています.地産地消,地場産業の振興などの観点からリサイクル材料としての有効活用を研究しています.落花生サヤと生分解性樹脂を混合し,高温のプレス機によって建築等に使用するボードや,コースタなどに成形する方法を検討しています.・自動車用樹脂製品の外観品質評価の定量化手法自動車用樹脂製品の外観品質は,熟練の技術者の感応評価によって行われています。これを定量評価する手法に関して,研究を行っています.3)その他・子牛の肋骨の強度予測シミュレーション 生物資源科学部との共同で研究しています.助産機を安全に使用するために,子牛の肋骨の強度測定や,体重からの骨の大きさを予測し,子牛が耐えられる産道からの圧力予測しています.3.実験装置1)成形機等 ・張出試験機 ・高温圧縮成形機 ・二軸引張試験機 ・加速度計 ・AEセンサー・高速度カメラ ・レーザ変位計 ・携帯用小型表面粗さ計2)シミュレーションソフト・JSTAMP(板成形) ・DEFORM(鍛造,機械加工) ・MatchID(ひずみ分析)図2 高速引張試験装置 図3 落花生リサイクル複合材を用いた皿

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