授業科43 11..研研究究室室のの構構成成とと方方針針 当研究室では,燃焼現象の基礎的な研究と,内燃機関(ガソリンエンジン,ディーゼルエンジン,ジェットエンジン)に適用可能な応用技術の研究を行っています.研究活動は野村研究室と連携して行っています.卒業研究は,これまでの大学3年間のように,答えのある与えられた課題に取り組むのではなく,未知の問題に取り組むことになります.これをまとめ上げるのは非常に大変なことです.問題を解決するために専門的な知識を学修する必要もあるでしょうし,実験結果がうまく出ないときもあります.その代わりに,努力した分だけ社会に出た時に,自身の強みや自信につながります.研究室に在籍する1年間では,卒業研究に取り組みながら,社会に出て活躍できる基礎力を身に付けられるように,指導を行っていきたいと考えています.年に4回程度研究室発表会を行い,研究背景や実験の進捗状況などの報告を行っています.また,他大学の熱・流体研究室との合同発表会も実施しており,知見や人のつながりを広げられるように努めています. 22..研研究究内内容容 乗用車やトラックに用いられる内燃機関としてガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどが挙げられます.近年では電動化が進んでおり,ハイブリッドは珍しくなく,電気自動車や燃料電池車が登場しています.様々な新しい技術の登場により,近い将来には電気自動車だけが走る世の中がやってくるようなイメージが数多く発信されています.しかしながら,インフラの問題や先進国以外のことを考えれば,内燃機関はまだまだ必要とされると考えています.また,電気を得る方法は,天然ガスや石油,石炭を燃焼させてエネルギーを取り出す火力発電に頼るところは大きく,燃焼技術はこれからも生活を支えるために必要な技術です.本研究室では“燃焼”をキーワードに研究を行っています. ディーゼルエンジンやジェットエンジンでは液体の燃料を霧状に噴射して燃焼させています.この燃焼方式を噴霧燃焼といいます.ディーゼルエンジンやジェットエンジンは,トラックや航空機に搭載されていますので,完成された技術だと思うかもしれませんが,現在においても噴霧燃焼の燃焼メカニズムは完全には解明されていません.そこで,燃焼メカニズムの解明を目的として基礎研究を行っています.燃料の一粒一粒が,燃焼時にどのような振る舞いを見せるのか観察する非常に細かい作業ですが,得られる現象は興味深く,様々なアプローチで現象の解明を進めています.この燃焼実験では,ろうそくの火が縦に伸びるように,燃料一滴が燃える際に,自然対流が発生して現象を複雑にしてしまいます.自然対流が発生しない環境,つまり重力の無い環境で実験することができれば,現象を理解しやすい形で観察することができます.無重力の環境は地上で作り出すことができます.箱を自由落下させると,箱の中は見かけ上は無重力になります.この原理を利用して,大きな塔の上から実験装置の入った箱を落下させることで,無重力環境で実験ができます.このような,実験設備のことを落下塔といいます.津田沼キャンパスには,約1.1秒の無重力環境を作り出す小型落下塔があります.本研究室では,この落下塔を用いて燃焼実験を行っています.より長い時間の無重力環境が必要な実験条件を実施する場合は,北海道にある約2.5秒の無重力環境を作り出す大型落下塔を使用す12号館 501室 すがぬま ゆうすけ 准教授 菅 沼 祐 介 047-474-2341suganuma.yusuke@nihon-u.ac.jp 熱力学Ⅰ及び演習 熱力学Ⅱ 内燃機関 機械工学実験 目 キャリアデザイン演習(CAD)
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