図2 FW成形 sakata.kazuhiro@nihon-u.ac.jp 授 業 科 目 41 材料力学Ⅰ及び演習 材料力学Ⅱ データサイエンス 機械工学実験 12号館210室 さかた かずひろ 教 授 坂 田 憲 泰 047-474-2328図1 炭素繊維 11..研研究究室室のの構構成成とと方方針針2005年の3月に本学の大学院博士前期課程を修了し,2005年の4月から約5年間,日産自動車で燃料電池自動車(FCV)の研究・開発を行ってきました.所属していた部署では,燃料となる水素を水素ステーションから充てんし,車両に高圧で貯蔵し,燃料電池スタックに供給する“高圧水素システム”を担当し,主に「X-TRAIL」05年モデルの開発を行いました.その後,総合研究所で高圧水素容器の研究を行い,2009年の9月に大学に戻って来ました.専門は複合材料工学です.1年次から始まる “材料力学”は「構造物が使用期間中に破壊・破損,有害な変形が発生しないように形状寸法を決定する学問」です.そのため,材料力学は機械の構造設計において,最も重要と言っても過言ではありません.日産自動車で研究・開発を行っていた時も材料力学の知識は必要不可欠でした.本研究室では,研究活動を通して将来の研究・開発の実務に活用できる材料力学の素養を身につけることを目的とします.また,企業ではどのような能力が求められているのか,研究・開発がどのように進められているかをアドバイスしたいと思います.研究活動は,主に先進複合材料に関する「次世代複合材リサーチ・センター」で行っており,機械工学科内だけではなく,他学科や他大学の先生と共同で進めている研究も複数あります.22..研研究究のの内内容容先進複合材料に関連する研究を行っています.複合材料とは2種以上の単一材料を組み合わせた材料で,単一材料より優れた特長を持つ材料のことです.図1の炭素繊維と樹脂を組み合わせた炭素繊維強化プラスチック(Carbon fiber reinforced plastics,CFRP)は軽くて強い材料のため,航空・宇宙分野で広く利用され,最新鋭の旅客機ボーイング787では構造重量の50%が繊維強化プラスチック(Fiber reinforced plastics,FRP)となっています.今後は自動車への本格的な展開が予想されており,強度を保ちながら軽量化が可能になることから,低環境負荷構造材として注目されています.また,FCVの燃料である水素を貯蔵するための高圧水素タンクの材料としても使用されています.図2は高圧水素タンクをフィラメントワインディング(FW)成形している様
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