機械工学科/学習の手引R7
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32 も行っています.(2)コロイド分散液の動的特性とその応用我々の身の周りにある液体は水のような単相のものは少なく,液中に微粒子が分散しているような混相状態のものがほとんどです.そのため,製造現場においても単相とは違った問題がみられます.これらの興味深い現象は作業工程内のせん断力の他に,コロイド粒子のブラウン運動やDLVO力にも起因するといわれているが,多くは未だに明らかにされていません.研究室では最新のシミュレーターを利用してこれら物理現象を解明することに取り組んでいます.また,膜ろ過プロセスにおける複合的非線形問題に対して,ファウリング現象のメカニズム解明にも取り組んでいます.コロイド分散液のシミュレーション研究は東京大学や他機関と共同で研究を行っています.(3)固液混相流における粒子流れの研究人や動物,粉粒体など様々な‘もの’の流れを円滑にすることは経済損失の低減や生産プロセスの効率化を図る上で重要です.一方,人などの自己駆動粒子,粉体などのNewton粒子共に通路幅が急激に狭くなる箇所で,停滞や閉塞は対象物に関わらず普遍的に発生します.これらの緩和手段に急縮小部手前に障害物を意図的に設置する方法があり,これまで数値シミュレーションや実験により粉体流での停滞・閉塞緩和効果が報告されていますが,固液混相流れを対象とした効果は報告されてはいません.実験と数値シミュレーションにより固液混相流中の粒子流れの諸問題を研究しています.(4)磁場を利用した様々な研究国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)と共同研究を行っており,超伝導マグネットを利用した強磁場磁気分離研究を行っています.またこれまで,電磁誘導を利用して非接触で導電性流体を駆動させる電磁ポンプ(MHDポンプ)や脳底部を磁気刺激して認知症に応用する研究などを行ってきました.良いアイデアがあれば提案して下さい.新しい磁場の応用分野を一緒に切り開けられたらと思っています.ゼロから実験装置をつくることが出来ます.(5)羽根なし撹拌装置の研究食品,化学,薬品などあらゆる工業分野の生産プロセスの一部に撹拌工程があります.撹拌は駆動源からのエネルギーを撹拌軸から羽根に伝達させて,濃度の均一化,粉体の溶解,気泡の微細化や伝熱等の目的を満足させるのに有効な流動状態を直接的に撹拌槽内の流体に与えます.近年,遠心力を利用した羽根がない撹拌機が提案されています.羽根が無いために大きなせん断力が生じなく,撹拌槽に接触してもコンタミネーションが少ないなどの利点があります.この“羽根なし”撹拌機の基本性能の把握と実用化に向けた応用研究を高速度カメラ等の可視化技術等を使って行っています.3.研究室ホームページ 右のQRコードで研究室のホームページが見れます. 詳細はこちらをご連絡下さい.図 膜ろ過シミュレーション

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