環境安全工学科/学習の手引R7
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【研究テーマ・概要】 ☆コンクリート製品の環境負荷低減に関する研究 パリ協定、COP24 での合意もあり、今後、世界中で持続可能な社会の追及をすることになります。まさに当学科の英語名称である-Sustainable Engineering-が大事な学問になってきています。私の研究室の研究テーマは、私がセメント会社の研究所で二十数年間、研究開発に従事してきた社会経験を生かして、テーマの設定や研究室運営をしています。研究テーマは複数ありますが、会社のシステムと同じようにチーム制で行っています。テーマに共通しているのは、廃棄物として使われていない、または使用量が限られている産業廃棄物を有効・大量に使えないかという研究を、企業と共同でまたは企業に提案するために行っています。例えば、下水汚泥焼却灰や石炭灰であるフライアッシュは,産業廃棄物として利用促進が叫ばれています。これらをうまく使わないと日常生活のリサイクルの輪が崩れてしまいます。いまでもコンクリート製品などに使われていますが、環境負荷低減という視点でもっとたくさん,もっと上手に使える方法はないか研究しています。例えば下水汚泥焼却灰にはたくさんのリンが入っていますがこれはセメントの硬化を阻害する成分です。これを何とかセメントに作用させないようにできないか、そうすればもっとたくさん使用することができるのに。もっと活性を高められたらもっと強度が高まるのに、輸出もできるのに。といった観点で環境負荷を徹底的に低減したコンクリート用材料の開発の研究をしています。 【最近の主な研究論文】 〇安東修一,鵜澤正美,青山裕之,佐々木猛,“コンクリートスラッジ中の残存固形分を配合したモルタルの圧縮強度と耐硫酸性” Journal of the Society of Inorganic Materials , Japan, Vol.31,PP.297~303 (2024) 〇藤原颯,福永晃久,鵜澤正美,井川秀樹,”活性化した下水汚泥焼却灰のコンクリートへの適用に関する一考察”, コンクリート工学年次論文集, Vol.45, No.1, pp.106-111(2023) 〇青木康平,鵜澤正美,矢島典明,“高活性化フライアッシュ含有モルタルの圧縮強度特性とその増進メカニズムの解明”,Journal of the Society of Inorganic Materials , Japan,Vol.29,pp..132-139 (2021) 〇衣袋雄太,鵜澤正美,亀井真之介”下水汚泥焼却灰添加モルタルの圧縮強度とコンクリート混和材としての利用可能性の検討”,Journal of the Society of Inorganic Materials , Japan,Vol.27,pp..3-8 (2020) など,査読付き論文84編,特許93件 【主な受賞歴】 第 64 回セメント技術大会優秀講演賞,“画像解析を用いた配合推定に関する検討”(2010) 第 64 回セメント技術大会優秀講演賞,“温度変化を考慮した熱力学的相平衡と物質移動の連成モデルによる硫酸塩浸透シミュレーション”(2010) 【所属学会】 日本材料学会,無機マテリアル学会,日本コンクリート工学会,セメント協会 教 授 う ざわ ま さ み 鵜 澤 正美 博士(工学) 居室:40 号館 704 室 e-mail:uzawa.masami@nihon-u.ac.jp 【専門分野】環境材料科学,セメント化学,コンクリート科学 【担当科目】環境マネジメント,アセットマネジメント,環境材料工学,他 - 33 -

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