(厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/dl/03.pdf) □では,生産工学部での大学院進学について少し触れたいと思います。18歳人口の 50%超が大学へ進学しています。大学院への進学率は学ぶ系統にもよりますが,工学 - 23 -系では平均約4割といわれています。しかし生産工学部では1割強の進学率です。確かに学部卒(学士)でも有名企業や希望就職先に就職している実績から,大学院に進学しなくてもいいのではないかという意見もあります。しかし長い目で自分の人生を考えた時,大学院へいくことは職種の選択肢を増やすことにもなり,将来の昇格にもかかわってくるかもしれません。大学の考え方がだんだん大学院教育を含めた考え方に変わりつつあります。すなわち学部3年間と4年生(卒研)+大学院2年間とに分けて教育・研究する考え方=3+3という捉え方です。生産工学部でも令和4年度からこの考え方を導入した新しいプログラム-ユニット制という新しい進学システムです。もちろん学部4年生で卒業することもできます。しかし大学院へ行くことも考えた教育・研究をしていく流れは,生産工学部だけでなく特に工学系では日本全体での共通認識になりつつあります。 □大学院生は学部生よりもより教員に近い存在として,研究活動を通してコミュニケーションがとられます。また教員の補助をするティーチングアシスタント(TA)制度は学内でのアルバイトで年間20万円超が支給されます。さらに奨学金も所得基準が学生自身の所得を基準としている点は,学部が親の所得を基準としているのに対して,学部生とは少し違う位置づけになります。民間の奨学金も多く準備されています。 □大学院進学は社会に出る年齢が2年遅くなるかもしれません。2年間の学費を準備しなければなりません。しかし環境安全工学科には大学院が併設されていない代わりに,学内推薦,学内特別推薦は,機械工学専攻,土木工学専攻および応用分子化学専攻が主な対象となり,3専攻の大学院教員が在籍していることもひとつの特徴であり,幅広い知識と専門的な研究ができる環境が整っているのです。
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