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本学部教養・基礎科学系の塩見昌司准教授が参加する研究グループが、宇宙線の起源「ペバトロン」の決定的証拠を観測しました。また、本成果に関するリモート記者会見が2021年4月2日に行われました

2021.04.02 お知らせ

60年来の謎解明へ、宇宙線の起源「ペバトロン」の決定的証拠をつかむ!
〜天の川から史上最高エネルギーのガンマ線放射を観測〜


本学部教養・基礎科学系の塩見昌司准教授が参加するチベットASγ(エー・エス・ガンマ)実験グループは、史上最高エネルギーのガンマ線放射が、既知のガンマ線放射天体の方向ではなく、天の川に沿って広がって分布する様子を発見しました。
この観測結果は、60 年来の謎であるペタ電子ボルトの高エネルギー宇宙線の起源「ペバトロン」が、過去または現在の銀河系内に存在することを示す決定的な証拠です。さらに「ペバトロン」で生成された宇宙線が、数百万年以上の間銀河系内に閉じ込められ、宇宙線のプールを形成しているという理論モデルを初めて実験的に検証したといえます。

本成果を記した論文は、日本時間の4月5日深夜に米国科学誌 Physical Review Letters 電子版に掲載される予定です。(”Editor’s Suggestion” に選ばれました)


20210402_01_02 チベット空気シャワー観測装置と天の川(合成イメージ)。
ひときわ輝くのは史上最高エネルギーのガンマ線が放射している様子を表しています。
〔クレジット:東京大学宇宙線研究所/若林菜穂〕


本成果に関し、2021年4月2日(金)にリモート記者会見が行われました。また、欧米ジャーナリスト向けにアメリカ物理学会主催による記者会見も行われる予定です。


2021年4月2日(金)リモート記者会見

【出席者】 梶田隆章(東京大学宇宙線研究所 所長) 瀧田正人(東京大学宇宙線研究所 高エネルギー宇宙線研究部門 教授) 川田和正(東京大学宇宙線研究所 高エネルギー宇宙線研究部門 助教) 大西宗博(東京大学宇宙線研究所 高エネルギー宇宙線研究部門 助教) 片寄祐作(横浜国立大学 大学院工学研究院 准教授) 塩見昌司(日本大学 生産工学部教養・基礎科学系 准教授) 日比野欣也(神奈川大学 工学部物理学教室 教授)

詳細はこちら icon_pdfを御覧ください。

【関連サイト】 東京大学宇宙線研究所 チベット ASγ 実験