日本大学生産工学部研究報告A(理工系)第53巻第2号
7/24

─ 5 ─た13)。ソバ,トウモロコシ,サツマイモ,トマト,イネ等が農場北部で栽培されている(Fig.8)。雑草を加えた7クラスの測定結果(Fig.9)を10時前後の平均温度,最低・最高温度としてTable 3に示す。同時間帯の黒土,砂利,コンクリートのそれぞれの平均温度は49.48℃,45.32℃,43.76℃であり,農作物の観測値と比べ10~20℃の温度差が確認された。また農作物も濃密な葉で覆われた①ソバが最も温度が低く,丈が高く葉が密に覆われている⑦クワが次いで低かった。⑥イネ,⑤トマト,③トウモロコシが若干高いのは丈は高いものの葉の密度に差があるためと思われる。②雑草は一部で地面が露出していることから温度は高めであった。6.考察西東京市の生産緑地の多くは0.3ha程の広さであり,空間分解能10mのSentinel-2/MSIでは数10画素に相当する領域である。ある程度の広さで栽培されている農作物に関し識別可能であった。東大農場内の代表的な農作物のスペクトル特性を教師とすれば,各生産緑地で栽培している農作物の特性を推定することはある程度可能と思われ,さらにLandsat-8/TIRの熱画像から生産緑地周辺での熱環境把握に貢献することが可能と思われる。2018年8月の観測画像に基づく調査結果および現地調査に基づく調査結果から,いくつかの特徴を持つグループ毎の地表面温度を比較するとTable 2の様に温Table 2 Average temperature of main classes in Tanashi farm (℃)2017.3.202018.8.14Class-120.5223.99Class-220.7024.19Class-321.0324.10Class-420.5323.72Figs. 7(a), (b) Earth surface temperature at productive spaces on March 20, 2017 (a) and August 14, 2018 (b)Fig. 8 Position of ground truthTable 3 Ground truth result measured by thermal cameraObjectsMean Temp.Max. Temp.Mini. Temp.① Buckwheat31.25℃31.28℃29.63℃② Weeds36.0037.6934.47③ Corn33.9038.0730.18④ Sweet Potatoes33.3036.7931.02⑤ Tomato33.9637.2930.87⑥ Rice plant34.5335.6933.71⑦ Mulberry32.4035.4430.45  Soil49.48  Gravel45.32  Concrete43.76

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る