日本大学生産工学部研究報告A(理工系)第53巻第2号
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─ 2 ─びALOSの可視・近赤外データから得られる農地情報と,地上分解能約100mのLandsat熱赤外データから得られる農地周辺の熱環境について調査を行った。2.対象地域と使用データ西東京市内の生産緑地8)と東京大学大学院農学生命科学研究科附属田無演習林9)(以降東大農場と略す)の農場と演習林を対象として,ALOS/AVNIR-2およびSentinel-2/MSIの可視・近赤外データ(処理レベル1B)およびLandsat熱赤外データ(処理レベル1)を使用して調査を行った。観測年月日は次のとおりである。・ALOS/AVNIR-2:2007年3月1日観測・Sentinel-2/MSI:2017年3月19日観測・Landsat-8/TIR:2017年3月20日観測・Sentinel-2/MSI:2018年8月1日観測・Landsat-8/TIR:2018年8月14日観測Fig.1に西東京市(白で示す領域)に位置する生産緑地(赤で示す領域)および農場(農地)と演習林(林地)からなる東大農場(Tanashi Farmと略す,水色で示す領域)の位置関係を示す。約400件の生産緑地は小規模で多くは0.3ha程の広さであるのに対し,東大農場はおよそ30ha程の広さである。空間分解能10mのAVNIR-2およびMSIデータからは各農地のスペクトル特性の測定が可能であり,栽培品種をある程度把握可能な東大農場のスペクトル特性と比較することで,類似性を確認することが可能と考えられる。また同時期に観測されたLandsat熱画像から,生産緑地と東大農場周辺の地表面温度の特徴も調査可能と考えられる。西東京市の生産緑地で春季に栽培されている作物品種はキャベツ,レタス,小松菜等,夏季はキュウリ,トマト,トウモロコシ等である10)。3.東大農場と生産緑地のスペクトル特性と地表面温度Fig.2に東大農場の農地図面を,Fig.3に2007年3月にALOSが,2017年3月および2018年8月にSentinel-2が観測した画像(ALOSはRGBにバンド4,3,2を,Sentinel-2はRGBにバンド8,4,3を割り当てたフォーFig. 1 Area of Nishi-Tokyo(white), Tanashi Farm(cyan) and productive green spaces(red)Figs. 3(a)-3(c) Color composite images of Tanashi Farm by ALOS/AVNIR-2 and Sentinel-2/MSIFig. 2 Campus map of the Tanashi Farm

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