日本大学生産工学部研究報告A(理工系)第52巻第2号
17/30

─ 15 ─いはコンクリートの種類により比較が行えるよう試験体を組み合わせて示した。同一のシリーズで比較すると,普通コンクリートのCN, CNVシリーズ( a)図)では1,500kN,低品質再生骨材コンクリートのCL, CLVシリーズ( b)図)では1,000kNまでの剛性にビニロン繊維の添加の有無による差異は認められないが,ビニロン繊維を添加した試験体は最大荷重が若干上昇する傾向が認められた。ビニロン繊維を添加した試験体は最大荷重時の変位は大きく,さらに最大荷重時以降も荷重を維持して変位が増大した後に荷重が低下する靭性のある履歴を示した。コンクリートの種類の違い( c)図,d)図)で比較すると,低品質再生骨材コンクリートのCL, CLVは,普通コンクリートのCN, CNVと比較し,剛性が低く最大荷重も低下する傾向が認められた。また,Table 5のPcal.とPmax.を比較すると実験値Pmax.は計算値Pcal.に対して1割程度低い値となった。このことは試験体のコンクリートの圧縮強度が,現場封かん養生とした円柱供試体の圧縮強度ほど強度発現していないものと推察される。以上のことから低品質再生骨材コンクリートのCL, CLVシリーズは普通コンクリートのCN, CNVシリーズと比較し剛性は低くなるが,円柱供試体の圧縮強度が普通コンクリートと同等の強度となれば試験体の圧縮強度の増加が見込めるものと考える。また,剛性が低くなった理由は低品質再生骨材コンクリートは単位容積質量が普通コンクリートと比較し小さいためヤング係数が小さい値となっているからと考える。Fig. 6に主筋のひずみゲージの貼り付け位置を示す。Fig. 7に試験体の測定区間中央の高さに貼り付けしたひ05001000150020002500010002000300040005000P (kN)ε10‒6: CLV:CL05001000150020002500010002000300040005000P (kN)ε10‒6: CNV:CN05001000150020002500010002000300040005000P (kN)ε10‒6: CLV:CNV05001000150020002500010002000300040005000P (kN)ε10‒6: CL:CNb)CL,CLV a)CN,CNV d)CNV,CLV c)CN,CL Fig. 7 Load-strain curves of main reinforcementMain gauge attaching position Fig. 6 Strain gauge attaching position of main reinforcement

元のページ  ../index.html#17

このブックを見る