日本大学生産工学部研究報告A(理工系)第52巻第2号
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─ 9 ─広禁制帯幅半導体と電極の界面微細構造の制御前田 将克概  要次世代パワーエレクトロニクス材料として優れた特性を有する広禁制帯幅化合物半導体のコンタクト電極形成に関する諸問題の中から,p型窒化ガリウム(GaN)とn型炭化ケイ素(SiC)の電極形成プロセスの制御に取り組んだ。p型GaNにおいては,電極直下のGaN中有効正孔濃度を増加させてショットキー障壁の薄化を図るため,アクセプター元素を不活性化させている原因となっている水素原子を除去する方法として,熱処理中に電極間に電圧を印加する技術を開発した。その結果,電気伝導度の向上に効果があることが実証された。n型SiCではNiを成膜して熱処理した電極が電気伝導特性に優れる一方で脆弱な機械的性質を示す問題に対して,脆弱化の原因となる遊離炭素の生成を抑制する界面反応制御法を考案した。その結果,電気伝導特性を維持したまま著しい機械的特性向上を実現できることを実証した。キーワード:炭化ケイ素,窒化ガリウム,コンタクト電極,界面反応制御法

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