日本大学生産工学部 研究報告A(理工系)第52巻第1号
52/58

─ 50 ─研究成果⑴ 山口晋,伊藤義也,根本竜太郎,コンクリート二次製品を対象としたオートクレーブ養生による高強度発現性に関する基礎的研究,土木学会,土木学会第73回年次学術講演会,V-238,pp.475-pp476,平成30年8月.平成30年度利用状況 地中杭等を対象とする高強度コンクリート二次製品の製造に用いられているオートクレーブ養生は,180℃-1MPaの高温・高圧環境下に供するため,熱源となる化石燃料の消費が膨大であり,環境への負荷が大きいことが課題とされてきた。そこで研究者らは,高活性なシリカフュームを用いて,十分な前置き養生時間を確保することでオートクレーブ養生温度の低温化を実現した新たな環境負荷低減型のオートクレーブ養生方法の可能性を示している。しかし,これまでの検討において,11Å Tobermoriteの生成がセメント硬化体の高強度発現に及ぼす影響が明らかにされておらず,低温型の新たなオートクレーブ養生技術の確立には,これらを明らかにする必要があると考えた。そこで平成30年度は,これまでの検討において一般的なオートクレーブ養生条件の3時間程度では11Å Tobermoriteの生成が認められていないことから500時間までの長時間のオートクレーブ養生を実施し,11Å Tobermoriteの生成とセメント硬化体の強度発現性に着目した基礎実験を行った。 その結果,11Å Tobermoriteの生成は,オートクレーブ養生によるセメント硬化体の高強度化に必ずしも必須ではないことを示し,これまでの研究成果を裏付けた。また,11Å Tobermoriteの生成量増加は,圧縮強度を低下させることから,本研究で得られた成果によって,新しいオートクレーブ養生理論の基礎となる知見が得られた。No.1設備・装置名 称環境制御型構造物部材試験評価システム型 式材料強度試験機(サーボバルサ)EHF-UV200kN-40L形恒温槽内曲げ試験装置−20℃~+80℃セメント硬化体用水銀圧入式ポロシメータ Pascal 140/440 特別仕様型使用責任者土木工学科  伊藤義也購入年度平成20年度共同使用者土木工学科  山口 晋

元のページ  ../index.html#52

このブックを見る