日本大学生産工学部 研究報告A(理工系)第52巻第1号
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─ 18 ─両面太鼓,そして,コン・ウォンが描かれている。この浮彫部分は黒沢隆朝の「世界楽器大辞典」におけるゴング属の楽器の章5)で紹介されている。なお,この大辞典では,銅鼓を太鼓と紹介している。Fig24には,弦楽器,シンバル,大銅鼓,フラット・ゴング2台,縦笛2台,コン・ウォンが描かれている。大銅鼓とフラット・ゴング2台は,棒に吊って4人で肩に担ぎ,桴を両手に持っている叩き手が2名いる。一人は立って大銅鼓を担当し,もう一人は座ってフラット・ゴングを担当している。Fig.25には,縦笛,コブ付きゴング,両面太鼓,ほら貝,コン・ウォンが描かれている。やはり,ゴングを棒に吊って二人で肩に担ぎ,桴を右手に持ち,ゴングを左手で抱えている叩き手が別にもう一人いる。5.3 バイヨン寺院5.3.1 第一回廊Fig26から39に,第一回廊に描かれているゴングと考えられる浮彫を示す。なお,ゴングと思われるが,はっきりとしないものは取り上げていない。特に北壁面は,途中で描くのをやめたもの,あるいは崩壊しているものが多く,掲載していない。他の楽器は,踊りの伴奏として竪琴などがいくつか描かれているが,ゴングは,Fig.25 Aerophone, Bossed Gong, Drum, Horn and Kong Vong on east side of north wallFig.24 String Instrument, Cymbal, Bronze Drum, Flat Gongs, Aerophones and Kong Vong on east side of north wallFig.26 Flat Gong 1 on east side of south wall

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