日本大学生産工学部 研究報告A(理工系)第52巻第1号
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─ 16 ─方の担ぎ手が叩くと思われるが,定かではない。Fig.19には,台付ゴングが角笛と共に描かれている。おそらく,銅鼓と思われる。16世紀中頃には,浮彫の表現手法が進み,フラット・ゴングと区別するために,正面だけでなく側面も一緒に描き,立体的に銅鼓を描いたと思われる。銅鼓を棒に吊って二人で肩に担いでいるが,桴を持った叩き手がいない。おそらく,後方の担ぎ手が叩くと思われるが,桴を持っていないので,定かではない。Fig.20にはコン・ウォンが描かれている。楽器の前方にいる者が楽器を持ち,後方にいる者が両手で桴を持ち,演奏している。桴は先が球形になっている。旋律を奏でなければならないので,おそらく,桴の先に布を巻き球形にして音高をはっきりと定めるように工夫していると思われる。Fig.21には,表面に詳細な模様があるフラット・ゴングが描かれている。この壁面では,銅鼓は側面が描かれているので,フラット・ゴングと思われる。やはり,ゴングを棒に吊って二人で肩に担ぎ,桴を両手に持った叩き手が別にもう一人いる。Fig.22には,大きさの違うコブ付ゴングが2台描かれている。2台のゴングを棒に吊って二人で肩に担ぎ,後ろの担ぎ手が,右手で棒を掴み,左手でゴングを吊るしている縄を掴んでいる。また,先が大きな球形の桴を左手で持っている叩き手がいる。Fig.23には,コブ付ゴング,銅鼓,手太鼓,縦笛,Fig.18 Bossed Gong and Drum on east side of north wallFig.19 Bronze Drum and Horn on east side of north wallFig.21 Flat Gong on east side of north wallFig.20 Kong Vong on east side of north wall

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