日本大学生産工学部 研究報告A(理工系)第52巻第1号
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─ 14 ─5.2 アンコール・ワット寺院第一回廊5.2.1 第一回廊西壁面南側浮彫アンコール・ワットの第一回廊西壁面南側の浮彫をFig.7からFig.10に示す。描かれている内容は,上述したように,古代インドの大叙事詩マハーバーラタのクライマックスの戦闘場面である。いずれも表面にはコブが描かれていないので,フラット・ゴングと考えられるが,薄浮彫なので,どれほどの厚みがあるかわからない。表面に装飾模様が施されており,また,ゴングを吊る棒とゴングの間が短く,側面に棒を差し込む部分があるようにも見受けられ,銅鼓の可能性もある。ここでは,とりあえず,フラット・ゴングとしておく。いずれもゴングを棒に吊って二人で肩に担ぎ,桴を両手に持った叩き手が別にもう一人いる。ゴングは1か所で吊っており,軍隊の行進に伴う軍楽隊として描かれている。5.2.2 第一回廊西壁面北側浮彫Fig.11に第一回廊西壁面北側に描かれている浮彫を示す。ハヌマンのサル軍団の行進に伴う軍楽隊として描かれており,やはり,いずれもゴングを棒に吊って二人で肩に担ぎ,桴を両手に持った叩き手が別にもう一人いる。ゴングは1か所で吊っている。Fig.11 Flat Gong on north side of west wall5.2.3 第一回廊南壁面西側浮彫Fig.12に,南壁面西側に描かれている浮彫を示す。やはり,ゴングを棒に吊って二人で肩に担ぎ,桴を両手Fig.8 Flat Gong 2 on south side of west wallFig.9 Flat Gong 3 on south side of west wallFig.10 Flat Gong 4 on south side of west wallFig.7 Flat Gong 1 on south side of west wall

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