自然環境における複雑現象の解明とその先端科学技術への応用

プロジェクトリーダー 教授 登坂 宣好

 最近のコンピュータの発展に伴い,生命現象や乱流現象のような複雑な現象を解明しようという動きが活発化し“複雑系科学”や“複雑系工学”が生まれ,それらが21世紀における先端的科学技術に対するブレークスルーをもたらす新しい知の領域として期待されつつある。本プロジェクトでは,このような動向に対し,我々を取り巻く自然環境における様々な現象を“複雑系”と捉える立場からのアプローチを採用する。それらの現象を解明するために必要なモデル化とその解析手法の構築という理論的および計算的手法のみならず実験的手法の確立等に関する諸成果をまとめることによって,先端科学技術開発に応用することを目的とする。

 まず,地球環境の創生問題に対するモデルの提出により環境問題解明への基盤的研究が加速される。また,温室効果による地球温暖化を招く二酸化炭素の排出削減,海洋における汚染物質の挙動把握による拡散防止,大型構造物周りの風環境アセスメントの確立,環境保全に対するクリーンエネルギの利用等環境の保全管理に対する経済的および社会的な効果が期待できる。

研究テーマ

● 複雑流れ現象の数理モデルと数値シミュレーション

● 複雑流れ現象としての燃焼の解明とその応用

● 乱流現象の環境問題への応用

● 生命・環境一体系モデル化とその解明

● 環境衛生における処理システムの確立



簡易乱流シミュレーション装置【平面図H】



3次元PDAシステム【平面図I】


(実験装置)