ハイテク・リサーチ・センター研究装置・設備一覧

 

設備名称 設 備 構 成 ・ 定 格 設 備 の 用 途 ・ 特 色 等
(プロジェクト名)
先端材料
耐候性試験装置

(プロジェクト1)
(1)スーパーキセノンウエザメーター (スガ試験機(株)製)
光源:7.5kw 

照度:48〜200W/m
電源:3φ200V,71A

(2)塩水噴霧試験機 (スガ試験機(株)製)

(3)フィラメントワイディング装置
温度:35±1度 
電源:3φ200V,17A
3軸制御式 最大重量50kg
チャック面間1700mm

(4)回転硬化炉 (旭エンジニアリン(株)製)
電気ヒータ:室温〜170度
昇降温度:1.3度/min(負荷時)
冷却速度2度/min
(雰囲気温度80度以上) 
(1)設置目的
先端材料のカーボン繊維強化プラチック(CFRP)材や金属材料などが紫外線や塩水を屋外環境の中で受けて,経年変化する場合,その劣化機構を明らかにするため,試験片としては板状だけでなく,パイプなどの円筒形状についても耐侯性の加速試験を行い,先端材料の耐候性強度を解明することが目的である。

(2)特色
本装置の中で耐候性試験機はスーパーキセノンウエザメーターと塩水噴霧機からなるが,キセノン方式は従来のカーボンアーク方式よりも,太陽の紫外線,可視光線により近く,太陽よりも3倍強いのエネルギーが放出することが可能なので,加速試験に最適である。また,一度に54枚の試験片が装着可能であり,装置の保守維持も容易である。塩水噴霧機はISO規格に採用されており,48枚の試験片に安定した噴霧が再現可能で,塩水噴霧後の排液・排水を真水に戻す装置も設置され,環境に配慮したシステムである。フィラメントワイディング装置はコンピュータで3軸(マンドレル,トラパース及び軸移動)制御されており,操作性が良く,熟練者でなくても直径100m,長さ1700mmまでのCFRP円筒形が成形でき,加熱回転硬化炉も装備されている。さらに,圧力容器など変断面形状を成形するプログラムソフトも付いている。

(3)用途
CFRP材に対し自然環境と同等な環境を与える装置であるスーパーキセノンウェザメーターを用いて,CFRP材に太陽光の紫外線を与え,さらに周囲を海で囲まれた条件から,紫外線に塩水噴霧を加えた促進暴露を行い,その結果と屋外暴露試験の結果と比較・検討するために本装置を用いる。さらに,先端金属材料などに及ぼす塩害の影響も本装置を用いて解明する。
渦流深傷装置

(プロジェクト1)
(1)渦流/RFT探傷装置
周波数範囲:10Hz〜10MHz
増幅感度:0〜40dB (0.1dBステップ)
サンプルレート:最大10000サンプリング/s RFT用プローブユニット
ETハンドプローブ 内挿プローブ
RET内挿プローブ

(2)RFT発生装置
(1)設備目的
物体表面を伝播する弾性表面波や,複数の表面波や打撃した際の反響音(可聴音)による,構造物の表面あるいは内部の非破壊検査手法を確立することを日的とする。

(2)特色
当該研究設備に含まれる漏洩表面波速度測定用スキャナは,高分子圧電膜超音波変換素子を振動センサとして組み込んだ]‐Y‐Z方向の高精度位置決め装置であり,特注品である。音響モニタリングシステムは,リアルタイム分析周波数Max200kHz,FFT分解能6400 lines,デジタルフィルター分解能1/24オクターブ,バッテリー駆動可能などの性能を有し,可搬性,操作性等に優れる。

(3)用途
漏洩表面波速度測定用スキャナは,@ 弾性波を用いた非破壊的残存強度の推定,AAE法による劣化損傷機構の解明,BAE波による経年構造物の安全監視など,音響モニタリングシステムは,@可聴音を用いた劣化損傷箇所の推定,A打音法による経年構造物の自動検査など,様々な用途がある。
音響による
モニタリング装置

(プロジェクト1)
(1)漏洩表面波速度測定用スキャナ 4軸移動・回転機構駆動横付
Z軸:ストローク100mm 分解能1μm/パルス
01軸:回転角 90度
  分解能 0.36度/パルス
02軸(スイベル):回転角 ±6度
  分解能 0.00075/パルス
03軸(スイベル):回転角 ±8度
  分解能 0.00075/パルス

(2)音響モニタリングシステム 入力点数:最大32CH
電源:ACまたはDC
リアルタイム分析周波数Max200kHz FFT分解能6400 lines
デジタルフィルター分解能1/24オクターブ
リアルクイムマルチバッファー計測可能
(1)設備目的
物体表面を伝播する弾性表面波や,複数の表面波や打撃した際の反響音(可聴音)による,構造物の表面あるいは内部の非破壊検査手法を確立することを日的とする。

(2)特色
当該研究設備に含まれる漏洩表面波速度測定用スキャナは,高分子圧電膜超音波変換素子を振動センサとして組み込んだ]‐Y‐Z方向の高精度位置決め装置であり,特注品である。音響モニタリングシステムは,リアルタイム分析周波数Max200kHz,FFT分解能6400 lines,デジタルフィルター分解能1/24オクターブ,バッテリー駆動可能などの性能を有し,可搬性,操作性等に優れる。

(3)用途
漏洩表面波速度測定用スキャナは,@ 弾性波を用いた非破壊的残存強度の推定,AAE法による劣化損傷機構の解明,BAE波による経年構造物の安全監視など,音響モニタリングシステムは,@可聴音を用いた劣化損傷箇所の推定,A打音法による経年構造物の自動検査など,様々な用途がある。
先端材料高温
疲労強度試験装置

(プロジェクト1)
(1)サーボパルサ(EHF=EG200kN-40L島津製)最大荷重200kN,
最大変位±25m
荷重及び変位制御
恒温試験装置(-160〜300度)及び高温試験装置(300〜1000度)
油圧くさび式定位置つかみ具付き

(2)オートグラフ(AG−250kN島津製)最大荷重250kN
クロスヘッド速度0.0005〜500mm/min
有効試験幅575mm
引張りストローク600mm
恒温試験装置(−180〜320度)及び高温試験装置(1100度)付き

(3)セムサーボパルサー(島津製)最大荷重5kN
最大ピストンストローク10mm(引張り)
5mm(圧縮)
繰り返し速度0.001〜10Hz
制御量は荷重とピストンストローク
最高温度800度
分解能3.5〜5.5nm
設定倍率×15〜×200000
(1)設置目的
本システムは先端材料の室温並びに高温状態での静的強度及び疲労強度を解明することと疲労負荷を受ける先端材料微視的観察を通じて,疲労進展のメカニズムを明らかにすることを目的とする。

(2)特色
本システムは大きく分けて@サーボパルサーAオートグラフBセムサーボ/パルサーの3装置で構成されている。@サーボパルサーは高い剛性と広い試験空間を備えており,実物の形状に近い試験や高温,恒温槽により高温状態での疲労実験が可能である。また,安全装置やコンピュータ制御により,無人実験の実施とデータの採取ができる。さらに,繰り返し数の増加に対して,安定な支持条件確保するためのつかみ装置も配備されている。 Aのオートグラフの特色は,高速のデーターサンプリング,高精度の荷重測定精度の保証,幅広い試験速度の採用で多様な材料の試験に対応,さらに高い剛性と広い試験空間を備えており,実物の形状iこ近い試験や高温,恒温槽により高温状態での各種静的実験を行うことができる。Bのセムサーボの特色は多様な試験モード,広い観察エリア,鮮明なSEM像,正確な荷重検出,コンパクトな加熱機構,負荷時の静止画像観察である。

(3)用途
耐熱金属材料,炭素繊維強化プラスチックやセラミックス複合材料などの先端材料の高温及び常温状態での各種静的強度や疲労強度の解明に本装置は幅広く用いられる。さらに繰り返し負荷を与えながら,先端材料の亀裂の進展や強度劣化を測定し,応力の繰り返し数と強度との関係を解明するためにも使用される。
先端材料
クリ−プ試験装置

(プロジェクト1)
クリープ試験機 RT-50型(東伸工業(株)製)
最大負荷容量:5000kg 
荷重精度:500〜5000kgの間±0.5%
試験片形状:ラプチャー用
平行部径6φ×GL30×全長70mm(ラプチャー用)
平行部径10φ×GL50×全長120 mm(クリープ用)
使用温度:300〜850度 max:900度
(1)設置目的
先端材料クリープ試験装置は,先端材料の耐熱強度のもう−つ重要なファクターであるクリープ強度,すなわち先端材料が高温状態で破壊荷重以下の荷重を常時受けた場合の強度を明らかにする。

(2)特色
コンピュータで制御された温度と荷重によって生じる変位もコンピュータで自動的に計測され,無人実験が可能である。全自動温度調節器による高精度の温度分布が得られ,デジタル変位測定器により,高精度のクリープひずみが得られ,実験後のデータ処理や連続表示が可能である。さらに,加熱装置に省エネルギー化を図っている。

(3)用途
高強度軽合金材料,摩擦圧接された材料,溶接継手,さらにCFRPに代表される繊維強化プラスチック複合材料のクリープ特性を明らかにし,各種先端材料のクリープ強度の解明に使用される。
結晶組織解析装置

(プロジェクト1)
(1)全自動X線回折装置最大定格出力:2kw 定格電圧20〜60kV 定格電流:2〜50mA
封入管Cu 2θ測角範囲:−60〜158°(ゴニオ半径185mm)
空冷式循環送水装置

(2)多面的測定アタッチメント
あおり15〜120°面内回転:360° 前後移動:10mm

(3)クリスタルカッター
テーブル送り速度:10〜65mm/min
左右移動量:自動220mm
前後移動量:100mm
(1)設置目的
金属材料の強度や伸びなどの機械的性質を始めとする材料特性は,結晶粒組織,合金元素の固溶,化合物の生成などによって大きく変化する。本装置によって,金属材料の結晶方位解析,結晶集合組織測定,化合物の同定,合金元素の固溶量の測定などを行って,高強度材料における強化機構や,材料強度の経年変化に対する組織の影響を解明する。

(2)特色
本X線回折装置は,各種アタッチメントを組み合わせたことで多様な測定に対応可能である。アタッチメントを取り付けるゴニオメータには,縦型と横型との方式があるが極図形測定には非常に測角精度が要求される。構造的に駆動系に無理がかかり横型ゴニオメータが有効である。また,結晶組織の配列方向を調べるためにはサンプルを360°回転させながら,サンプルの傾き(あおり角)を制御できるアタッチメント(極点アタッチメント)が不可欠である。さらに,試料の切断用にクリスタルカッターがある。この装置は,標準で5軸ゴニオメーターが搭載されている。

(3)用途
急冷凝固法やメカニカルアロイング法によって作製した,アルミニウムやマグネシウム合金基高比強度材料の組織を詳細にしらべて,強化機構を解析する。また,アルミニウムおよびマグネシウム合金の摩擦圧接継手と溶接継手のクリープ変形と組織との関係を明らかにする。
鉄筋コンクリ−ト
疲労試験及び測定装置

(プロジェクト1)
(1)走行振動試験装置
@鉛直方向 最大荷重;300kN
信号波形;正弦波,三角波, 矩形波
周波数;正弦波0.01〜10Hz,三角波,矩形波0.01〜1Hz
ストローク;±75mm  
A水平方向 台車積載重量;300kN 走行速度;3cm/s〜200cm/s(r=1.0m)
支点問寸法; 軸方向 50〜200cm, 軸直角方向 50〜200cm

(2)動ヤング率測定器 (共鳴振動単一測定)
掃引周波数:500Hz〜20kHz 掃引時間:10,20,30s
測定電圧レベル:3.16,10,31.6,100mV (作図作表)
作図作表ソフト:測定データ,相対動弾性計数 レベル推移特性,対数減衰率とその推移
(1)設置目的
走行荷重による鉄筋コンクリート部材の耐荷力,動的影響および疲労特性の解明を目的とする。

(2)特色
本装置は,大型車両と同様な輪荷重が常時走行,あるいは振動しながら連続走行する状態を再現する実験装置である。とくに,従来の実験装置では再現することができなかった大型車両の走行振動や伸縮継ぎ手の段差により発生する荷重変動が再現でき,動的影響による部材疲労特性を評価できる。また,本装置の性能は,鉛直荷重が最大300kNまで載荷できる。この鉛直荷重載荷装置に幅25cm,直径40cmの車輪を取り付け,一定な荷重での走行実験と,5.0Hzまでの正弦波形での振動荷重による走行実験が可能である。さらに,走行速度は最大支間2.0mを1分間に27往復できる。

(3)用途
走行荷重を受ける部材の応力,ひずみ,たわみを測定して耐荷力,動的影響,疲労特性を解明する。主たる実験には,@静的荷重による曲げ・せん断実験,A移動荷重による曲げ・せん断実験,B一定荷重による走行実験,C変動荷重による走行実験がある。
高分解能FAB
質量分析計

(プロジェクト2)
(1)質量分析計
MSROUTE 電場部:トライダル電場
磁場部:ラミネート,ラミネートポールピース
ガスクロマト:MS−6890形

(2)FABイオン源
EI/CI共用イオン源 リンクドスキャンユニット

(3)冷却水循環制御装置
水圧0.5〜2.5×105Pa 流量:2〜4L/min
(1)設置目的
有機金属錯体や大環状化合物などの難揮発性試料の質量スペクトルを測定し,その分子構造を明らかにすることを目的とする。

(2)特色
イオン源として,EI, CI, および難揮発性試料の分析に有効なFABを備えている.さらには精密質量測定が容易に行えるので,イオンの元素組成から未知物質の同定を行うが可能である.また,二重収束質量分析計とWindows PC ベースのデータシステムとの組み合わせにより,高感度・高分解能・汎用性とスムーズな操作性が実現されている。

(3)用途
本装置で得られる質量スペクトルと,NMRやIRなどの他の分析機器から得られる情報を組み合わせることにより,化合物の構造を決定する。
原子吸光分析装置

(プロジェクト2)
原子吸光分光高度計
測定モード:電子吸光/炎光
プレーズ波長:リトロー型230nmおよび597nm
波長範囲:190〜870nm
焦点距離:267mm
スリット幅:0.2,0.7,2.0nm
バックグランド補正範囲:3.0Abs
温度範囲:室温〜2600度
加熱速度:2600度/s
自動冷却水循環システム
冷却方式:自動循環
ステップアップトランス 容量:200V,40A
(1) 設置目的
種々の試料中に存在する微量金属元素を正確に定量することを目的とする。

(2) 特色
本装置は高量子効率を実現した広波長帯域半導体検出器により,10倍以上の検出下限と今までにない安定性を有している。また,光学系に時間差のないダブルビームを実現するために,新採用光ファイバーによりデジタル化された両信号を”真”に同時処理するリアル・タイム方式を採用している。さらに最適位置設定は全自動制御で行われ微調整の必要はない。

(3) 用途
本装置はフレームによる分析と黒鉛炉などによるフレームレス分析が可能なため,比較的高濃度から極微量の金属元素の定量が可能である。そのため,排水,海水,河川水などの環境水から複雑なマトリックスを形成するような試料中の微量金属元素の定量に応用できる。また,ネブライザー式のオートサンプラーを装着することにより固体試料中の微量金属の直境定 量も可能となる。
リサイクル分取HPLC

(プロジェクト2)
(1)リサイクル分取HPLC
吐出流量範囲:0.001〜9.999mL/min
吐出量:100μL(1ストローク)
リサイクル機構:電磁バルブによる切替
溶媒瓶:5L瓶1本

(2)波長可変紫外可視検出器
波長可変紫外検出器波長範囲:195〜370nm セル0.5mm

(3)示差屈折計
ノイズ:1.5×10−8RIU/HO
レンジ切替範囲:1〜2000,∞の12段階
屈折率範囲:1.5×10−6〜3.0×10−3RIU/H2O
(1) 設置目的
新規化合物の分離・精製を合成スケールで行い,化合物の構造を決定するための高純度試料の調製や標的化合物の精製を行うことが目的である。

(2)特色
本装置は分取専用液体クロマトグラフであり,試料と溶媒をリサイクルできるシステムである.したがって,溶媒消費量が少なく工業用の溶媒でも使用可能である。さらには紫外検出器と示差屈折計の同時検出が可能である。

(3)用途
GPC型分散カラムやキラルカラムも使用できるので,新規大環状化合物やキラル有機金属錯体の合成スケールでの分離・精製に用いられる。
X線光電子分析装置

(プロジェクト2)
X線光電子分析装置
X線銃:Mg 最大パワー:360W (12kV,30mA)
感度:700kcps以上 (Ag3d5/2で半値幅1.15eV時)
分解能:Mo3d 5/2FWHM0.8eV以下 冷却水循環装置
(1)設置目的
固体試料の表面近傍での元素分析と元素の結合状態を定量でき,高分子,金属,セラミックスなどの分析に利用できる.主に,高分子表面の表面改質の定量,接着性の評価,各種材料での表面処理や薄膜形成の評価に利用できる.

(2)特色
軟X線(MgKa線)を光源として固体表面から放出される光電子の脱出深さは固体表面の数nmに限られるため,固体試料の極表面層のみの分析が可能である.光電子の結合エネルギーは各元素で固有であるが,酸化状態や官能基の種類によって化学シフトとしてピーク位置が移動するので,これらの情報をもとに試料の表面状態が分析できる.また,角度分析用プローブの利用やアルゴンスパッタリングによる深さ方向の分析も可能である。

(3)用途
高分子材料の表面改質の進行程度と表面物性(ぬれ性や接着性など)の関係や吸・脱着や触媒反応における化学反応や反応部位の位置づけなど表面に限定して起こる化学現象を評価し,主に高分子材料の機能化を目指した研究で利用するが,ほぼずべての固定表面の表面分析で利用可能である。
分光エリプソメ−タ

(プロジェクト2)
分光エリプソメータ
反射入射角度設定範囲:45〜90° 再現性0.01°
波長範囲:250〜800nm
波長分解能:1.25nm スポット径:1mm 手動XYステージ最大移動範囲:160×160mm
液浸測定用セル
(1)設置目的
汎用高分子を用いた機能性薄膜に対する材料特性要求の高度化にともなう,高度な薄膜解析・膜厚管理を行う。

(2)特色
この装置は,薄膜の膜厚測定ができるだけでなく非接触・非破壊(in situ)で物体の反射表面の光学定数を測定できる。従来からある単波長のエリプソメトリーと比較して,背面照射型高性能二次元CCD検出器,オリジナルな光学系,反射角度可変測定,400ch以上のマルチチャンネル分光法などを採用することにより,高波長域(250〜800nm)での分光エリプソメトリーが従来にない高速性をもって高精度に実現できる。さらに,薄膜材料の多層薄膜の膜厚解析および高精度XYステージによるマッピングとその自動解析が可能である。また,液浸測定用セルの採用により,大気雰囲気下のみならず,様々な液中での測定が可能であり,機能性薄膜に要求される材料特性を実証することができる。

(3)用途
ポリエチレンや多孔質ポリ(テトラフルオロエチレン)フィルムに種々のモノマーをグラフト重合することで調製したグラフト化薄膜の使用時における膜質管理および酵素を固定化した後の膜の特性評価をin situで行い,より機能性の高い薄膜の開発を行う予定である。
全自動元素分析装置

(プロジェクト2)
(1)元素分析装置
分析法:フロンタルガククロマトグラフィー 大気圧補正:不要
検量:一点検量 分析範囲:C‐0.001〜3.6mg H-0.001〜1.0mg
N-0.001〜6.0mg S-0.001〜2.0mg O‐0.001〜2.0mg
元素分析データ処理装置 自動計測 自己診断機能 キャリアーガス量制御

(2)電子天秤
分解能:感量0.1μm 最大秤量5.0g レンジ可変:オートレンジ方式
(1)設置目的
本装置は,物質中の炭素(C),水素(H),窒素(N),イオウ(S),酸素(O)の含有量を測定することによって,種々の研究開発や品質管理等に応用でき,合成化合物や中間生成物の定量,化学反応や処理過程の進行の程度などを評価する.また,これらの数値より求めた化学組成をもとに,各種分析機器による解析を定量的に解析できる.

(2)特色
本装置では,CHN,CHNS,Oの3種類の測定モードにより酸素を含めた5元素での元素分析が可能なので,ほぼずべての有機化合物が分析でき,有機化合物,高分子,燃料,環境や地質などの分野での利用が考えられる.特に,試料中のイオウ(S)分を測定することで,アミノ酸やタンパク質,各種有機化合物の組成決定や同定ができる.また,液体サンプルシーラーの使用により,液体試料の分析も可能となる。 さらに,本装置は,1800度以上の高温燃焼とフロンタルクロマトグラフィーを併設しているので,酸素を含む化合物ではOモード設定により,酸素含有量を決定できる.

(3)用途
合成化合物や中間生成物の定量,化学反応や処理過程の進行の程度なども評価し,他の分析機器から得られた結果を定量的に解析する。
ラボ用TOC
自動分析装置

(プロジェクト2)
全有機体炭素計
測定成分:TC,IC,TOC(TC-IC)
NPOC(酸性通気処理法により測定したTOC)
燃焼温度:680度
測定範囲:4ppb〜400ppm (IC-2500ppm) (POC-最大400ppm)
固体試料燃焼装置
測定成分:TC,IC,TOC(TC-IC)
TC酸化方法:燃焼触媒酸化(TC炉温度900度) IC反応方法:酸性化(IC炉温度:200度)
測定範囲:TC-0.1mg C-30mgC(高感度測定 1〜20μgC) IC-0.1mgC〜20mgC
最大試料量:1g(水分含有量0.5g以内)
(1)設置目的
グラフト化膜の分離・濃縮実験や酵素固定化グラフト化膜における透過物質の濃度決定,固定化酵素の活性評価を行う。

(2)特色
豊富な実績に基づく,680度燃焼法により燃焼管と触媒の使用時間の長さが高い評価を受けている。共存成分や有機物の種類を問わず,広範囲の濃度分析ができる。また,共存する無機塩が妨害にならないことも特徴の一つである。さらに,固体試料燃焼装置を組み合わせたことにより,種々の固体試料のTOC測定が可能である。

(3)用途
反応溶液中の有機炭素量の測定が共存成分や有機物の種類を問わず,広範囲の濃度での分析ができることでグラフト化膜の調製時の膜質管理を行う。また,固体試料燃焼装置を組み合わせたことにより,種々の固体試料中のTOC測定が可能となり,グラフト化膜の分離・濃縮実験や無機塩が共存する固定化酵素の活性評価に利用していく予定である。
液体クロマトグラフ
質量分析装置

(プロジェクト2)
(1)インテグリティーシステム
サーマビームMS検出器: イオン化法:パーティクルビームEI
マスレンジ:10〜1000amu
フォトダイオードアレイ検出器 波長範囲:190〜800nm 検出ノイズ:±2.5×10−6AU

(2)大気圧イオン化MS検出器
マスレンジ:2〜4000amu
検出器:5kVコンバージョンダイオード付フォトマルチプライヤ

(3)窒素ガス発生装置
最大流量:28L/min 純度:99.9(最小流量時4L/min)
(1) 設置目的
試料溶液中に溶存する化学種の多種多様な共存成分からの分離,ならびにその構造決定を行う。

(2) 特色
ウォーターズが独自に開発したサーマビーム型MS検出器は,従来ルーティンで使用することができなかったパーティクルビームEIのイオン化を実用的システム(加熱同心円ネブライザー使用)として液体クロマトグラフのためにデザインされた装置である。EIイオン化を用いることで,200,000件以上のスペクトルライブラリで瞬時に化合物を同定することができ,非常に機能性が高い。また,大気圧イオン化MS検出器は広いマスレンジをカバーできる温和なイオン化法を特徴としている。いずれもフォトダイオードアレイ検出器と組み合わせることで,より確実な化合物同定と純度検定を行えるほか,これらの制御と解析を1台のミレニアムクロマトグラフィーマネジャーで行うことができる。

(3) 用途
環境水中の微量有害化学物質の分離・検出・同定ならびに溶液内化学反応において生成する化学種の構造決定に使用する。
ピコ秒蛍光寿命
測定装置

(プロジェクト2)
チッ素レーザ励起色素レーザ
励起:337nmおよび357〜710nm パルス幅:600ps
測定繰り返し周波数:光源に同期(検出器は2MHzまで対応可)
光トリガユニット 光検出方式:2次元フォトンカウンティング積算方式
検出器
チャンネル数:640(時間軸)×480(波長軸)
検出分解能:15ps以下
時間軸フルスケール:1ns〜10ms/FS
(1)設置目的
情報表示素子と高繊細素子開発に光と分子間の相互作用の初期過程の定量的評価を目的とする。

(2)特色
上記の素子開発を目的としてその素子機能の効率におよぼす因子を検討するなかでとくに光化学,光物理の初期過程が定量的に評価できること,しかもこの初期過程が微量なエネルギーであっても蛍光エネルギーとして積算評価できることが特色である。

(3)用途
近年注目されている光メモリーあるいは分子エレクトロニクスの情報素子の分野における原理,法則に対応して,定量的に評価されたその成果を高感度,高密度の分子メモリーへの対応が期待できる。化学以外の物理,電子工学分野との学際研究への有効な手段として活用できる。また,環境問題に関連して特定成分の同定に蛍光寿命の評価が期待される。
円二色性分散計

(プロジェクト2)
(1)円二色分散計
光源:450W(Xeランプ水冷式) モノクロメータ: ダブルプリズム
測定波長範囲:163〜11000nm

(2)ORD付属装置
測光方式偏光変調方式による
光学零位法
測定範囲:185〜700nm
ORDスケール:±45deg/FS

(3)ペルチェ式恒温装置
セルホルダ:最大光路長10mm
温度調節方式:ぺルチェ効果による加熱冷却方式

(4)ミクロセルホルダ
(1)設置目的
生体高分子である酵素タンパク質問での複合体形成や酵素タンパク質と水溶性高分子間での複合体形成における酵素タンパク質の高次構造(二次構造,三次構造)を,円二色性分散計(CD)を用いて様々な条件下(温度,pHなど)において測定することにより,生体内における高分子間の反応や機能発現のメカニズムについて理解する。また,得られた複合体の生物化学的機能との相関を追究することにより,複合体形成を利用したタンパク質の高度利用(固定化,ハイブリッド化等)について検討することが目的である。

(2)特色
本装置は,CDの他UV,蛍光、温度,pHなど最大4チャンネルのデータの同時取り込みが可能となっている。CD・蛍光同時測定システム,CD・OR同時測定システム等の特殊仕様が装備されている。また,オプションとしてORDを用意することにより,測定領域に吸収帯がなく,CDでは測定できない光学活性物質の同定,純度検定に威力を発揮する。また,窒素ガス流量をコンピュータから制御が可能である。更に,ペルチェ効果による加熱冷却方式を用いた恒温装置により高精度で温度制御が可能である。

(3)用途
酵素タンパク質問および酵素タンパク質/水溶性高分子間での複合体形成過程および前後におけるCD,蛍光およびUVスペクトルの変化を温度,pHやイオン強度など様々な条件下で測定することにより,高分子間での反応と機能発現の相関性について検討を行うために本装置を使用する。
生体・有機成分分析
・分取システム

(プロジェクト2)
(1)液体クロマトグラフシステム
流量設定範囲: 0.001〜5mL/min
           [1.0〜39.2MPa]
          5.001〜9.9999mL/min
            [1.0〜19.6MPa]
圧力設定範囲:1.0〜39.2MPa
           [0.1MPaステップ]

(2)多検出分取LCシステム
電気伝導度検出器:
  感度0.1〜5120μS/cm 
FSノイズレベル0.004μS/cm
ドリフト0.025μS/cm・h セル容量0.25μL
電気化学検出器: 作用電極グラッシーカーボン
比較電極 Ag/Agcl (4M kcl)設定電位-1.99〜+1.99V
レンジ1〜1024nAFS,∞(12段階)
(1)設置目的
本装置は,液体クロマトグラフシステムとして長い実績と安定した分析性能を示す。今回,分析や分取の性能の向上を図りUV分光検出,示差屈折率検出に加え電気伝導度検出を備えて,生体成分や環境分析用に多機能に対応出来るシステムとして設置した。

(2)研究目的
これらの光合成細菌を利用した廃液処理,有用生合成物質の分析や分取を行い,菌を利用した環境浄化システムの構築を検討する。

(3)用途
光合成細菌を利用した廃物・廃液処理システムの開発のためその分解能や生合成能を研究するために主として次の項目の分析や分取を行っている。 1)光合成の廃液処理能測定のための有機酸の分析 2)光合成細菌,その他の生分解性プラスチックの産生定量 3)光合成細菌によるビタミンB12の生合成機能定量のためB12誘導体の 定量や分取 4)その他有用生合成物質の本システムによる検索。
閉鎖生態系
実験システム

(プロジェクト3)
本体
光透過式培養装置:大気圧 温度15〜35度
太陽光源部:人工太陽灯中心光度3000cd 300〜780nm
温度制御槽:-10〜60度
計測制御部 酸素濃度:蛍光による酸素測定方式 センサー:
耐圧力3kg/cm 蛍光式酸素(溶存)・温度計: 測定レンジ−溶液および気体中の濃度/温度
酸素濃度− 0.0〜100.0%以上 0.0〜20.00ppm
性能 キャリブレーション温度±5度以内− ±0.3%
1週間ドリフト0.5%以内
CO2・O2分析計:CO部−非分散赤外吸収方式
O2部−ジルコニア固体電解質方式 自動サンプリング部
最大サンプリング数:120
注入量範囲:0.5〜5,000μL(1μLステップ) サンプル移動速度:3〜1,600μL/s
(1)設置目的
生命・環境一体系の複雑な生成過程と相互作用の解明。

(2)特色
閉鎖生態系の動態解明には,完全密閉という過酷な情況下で,しかも何年にも及ぶ連続観測というハードな条件が実験装置に課せられる。本実験装置はそれを考慮し,かつ,殆どの測定をシステム内に一体化し,全自動で作動するシステムを形成している。また,閉鎖生態系実験装置の制御及び,種々の測定データの収集・管理・処理操作を,危機管理も合わせて集中的に実行する。

(3)用途
閉鎖生態系実験装置には,その気圏中の酸素濃度や二酸化炭素濃度,水圏中の溶存酸素濃度,全リン・全窒素濃度や硝酸塩・亜硝酸塩濃度,pH濃度の測定,さらに生物活動度の指標であるATP濃度測定のための機器等が搭載されており,それらデータを温度等環境データとともに,基本的に毎秒ごとに採取し,かつ,年中無休で採取し,これら測定データを併せて解析する。
3次元PDAシステム

(プロジェクト3)
(1)3次元送光用光学系 速度次元:2D,3D 焦点距離:160〜2000mm

(2)受光用光学系 検出ユニット形状:540×470×210mm

(3)粒径測定用信号処理器
周波数帯域幅:120kHz〜45MHz (選択可能レンジ6)
最大データレート:170,000 計測/s
到達時間:1μs 搬送時間:0.1μs
(1)設置目的
燃焼場,特に燃料液滴−蒸気−空気混合気場における液滴の粒径および挙動を同時に把握し,内燃機関の燃焼改善に供することを目的とする。

(2)特色
流速および液滴速度の三次元計測と液滴直径計測を同時に,かつ高速に実行でき,非接触計測なので現象に影響を及ぼさない特長を有し,燃料液滴の挙動が現象に大きな影響を及ぼす燃焼解析に適している。測定部が点である弱点はあるが,定置火炎についてはプローブを移動することにより,火炎周辺の流速分布が得られる。また,伝播火炎の揚合はプローブを固定し,測定部を火炎が通過するように設定すれば,火炎面前後の液滴速度三次元成分を一次元分布情報として得られる。

(3)用途
ディーゼル機関,筒内直噴ガソリン機関の燃焼室では,燃料液滴−蒸気−空気混合気場が形成されており,液滴径およびその挙動が燃焼現象に大きな影響を与える。また,従来型ガソリン機関では燃焼室内混合気の濃度および速度分布が影響因子となる。今日の社会的要求に対応すべく,内燃機関の熱効率改善,有害排出物低減を目指して,これらの燃焼現象を基本的な観点から解析する予定である。
簡易乱流
シミュレ−ション装置

(プロジェクト3)
(1)3次元プローブ装置
最大レーザ入力:10W 重量:4kg 軸回転:±180°首振り角:45°

(2)流速測定用信号処理器
周波数範囲:−10〜+35MHz(周波数シフト時) 30〜75MHz(周波数シフトなし)
バンド幅:45MHz 精度:0.4%
内部データレート:1,000,000測定/s 以上
チャンネル数:3 計測処理システムプログラム:FLOware

(3)トラバース装置
フォグジェネレータ 消費電力:1000W(煙発生器) 630W (プローブ)
煙最大発生量:約325m/min
予熱時間:5分 (煙発生器) 35s(プローブ)
(1)設置目的
3次元風洞に置かれた模型周辺の3次元流れに対する計測および乱流解析により建築物周辺の複雑流れを評価することを目的とする。

(2)特色
本装置が非接触型の風速計であることから従来から問題視されてきたセンサー自体の影響がなく物体近傍における計測が可能である。模型周りの死角を少なくするためにプローブは首振りの機構が付加されている。光学系の光軸調整にはガイド光が用意されておりガイド光を中心に合わせるだけで調整が容易である。データレートが高く時系列データなど時間分解能が高い。データ計測時以外ではレーザ光が出力させないシャッターが装備されている。

(3)用途
コンピュータシミュレーションのための基準値の設定,建築物周辺の風環境評価,入射流の変動と建築物作用変動風圧との相関特性の評価,乱流境層の3次元構造の解明,開閉式大スパン構造物の室内気流の解明と評価など,これまでの未解明な分野への応用に展開できる。今後,気象学,建築・土木工学,乱流シミュレーンョン分野などとの幅広い研究交流を行っていく予定である。