あなたにとって「生産工学」とは? ~実体験と教養を積み重ね、学びの先を見据える学生たち~ Student interview

01

効率性を追求すること

Profile
徳田 晴太 数理情報工学科3年 さいたま市立浦和南高校

やりたいことを見つけられる。
自分の強みに気づくことができる。

小学生の頃から、効率を求めるタイプだった。もともと情報工学やソフトウェアに興味はあったものの、「工学」は「効率」に言い換えられると知り、さらに興味を持つようになった。「生産工学」の学びとは、専門科目をとことん突き詰めるもの。入学前はそう思っていた。しかし、実際はそうではなかった。幅広く学ぶ機会がある。これまで“好き嫌い”で物事を判断してきたが、そんなことを気にしている場合じゃない。苦手だと思っていた学びが、自分自身の筋肉になっていくのがわかる。プログラミングに活かされているのだ。生産実習では、現実も突きつけられた。しかし、それは同時に自分自身を変えるきっかけにもなった。これまで周りと比較し、劣等感を抱えながら生きてきたが、自分の“コミュニケーション能力”はその差を埋められる。そう考えると、心に余裕も生まれた。学生のうちにここに気づけたことは、今後の人生を考えると、とても効率的だと思える自分がいる。

02

身近なモノの見方を変えてくれるもの

Profile
宮内 萌衣 マネジメント工学専攻 修士課程2年 千葉県立佐原高校
日本大学生産工学部 マネジメント工学科

暮らしの全部がここにある。
人によって違う、
「使いやすい」を観察する毎日。

将来はSEを含めたいろいろなことに興味があり、これからも変わることを前提に、就職先の業界実績が広いマネジメント工学科を選択。入学して経営管理・材質・商品企画・流通など幅広く学ぶことができたが、一番の発見は「身の回りのものは人間の特性に合わせてつくられている」ということ。自分自身も「人が使いやすいもの」をつくる側になるべく、周りのモノや人をよく見るようになっている。出しやすいウエットティッシュの出し口や、使いにくいタッチパネルの理由など、いつも観察している。これは企業実習(生産実習)で自動車メーカーに行った際に、「目の前にどのような課題があり、それをどのように解決していくのか」が仕事であるということを実感したからだ。そしてそれを実行していくためには、自分の気づきをシェアすることが大事だということ。これまでは「合っていないかもしれないから」と伝えることを避けてきたが、2社目の実習先で自分の気づきをシェアしたところ、「それ良いね!」とたくさんの人に認めてもらえた。これは、合っているか合っていないかではなく、「相手にない視点かもしれないから発言しよう」と思えた瞬間だった。これらの気づきは、大学生活での大きな変化である。この体験を活かすことができ、卒業後は自動車メーカーに内定をもらっている。社会人になっても、「好きな自分」でいるために挑戦と努力をし続けていきたい。

03

自分自身の市場価値を高められる学び

Profile
豊岡 雄大 数理情報工学専攻 修士課程1年 都立田園調布高校
日本大学生産工学部 数理情報工学科

20代でも40代でも、
最先端を走り続ける技術者へ。

情報系分野に進学を決めたのは、将来性の魅力からだった。「工学」が「学問」なのに対し、「生産工学」は「社会で使える工学」というイメージをもっていた。入学してみて驚いたのが、「生産実習」という授業。今の自分には何が足りないのか、何を身につけるといいのかという、自己分析から徹底的に準備して企業に行くのだ。それが大学の単位になることは、地元の友人に聞いても他にないと言われる。すごい授業だと思う。大学ではソフトウェア系の企業1社で、大学院では研究分野でもある半導体関連の企業2社で、半導体の設計~販売までを体験として積み重ね、研究室では学ぶことができない取り組みも学ぶことができた。自分の研究について、企業の方々から「こういう研究をしている人はレア。価値があるからどんどん勉強した方がいい」というアドバイスをいただき、今の学びを頑張れば「自分の価値を高められる」ことに自信もついた。大学院では学会や国際的な発表に意欲的に取り組んでいる。半導体分野は開発スピードが速い。就職をゴールと考えず、企業に入った後もずっと学び続けていくことで、最先端を走り続ける人になりたいというイメージをもっている。

04

人生の道しるべ

Profile
栗林明依 応用分子化学科3年 静岡県立磐田南高校

自分の将来のために、
一つひとつ明かりを灯すように学んでいる。

もともと化学が好きだった自分は、好きなことを続けながら知らない世界を見てみたいという思いから、企業実習(生産実習)や就職支援が充実していた生産工学部を選択した。受験時の「生産工学」のイメージは“つくる”が強かったが、実際は“誰かのため、社会のために活かせるモノづくり”というのが正しいかもしれない。「生産実習」では、Uターン就職を視野に企業比較をしてみたいと考え、地元の自動車メーカー2社に行かせてもらった。1社目は自分が専攻していない未知の分野に身を置くことで、さまざまな人の手によって生活が支えられていることを実感できた。2社目では、他大学の人とチームで実習をする中で、「難しいことを簡単に説明するスキル」や「グループの中での役割」の重要性を感じることができた。そして何より、「より好みせずチャレンジすることで新しい扉が開く」ことを体感。実習後の学園祭では、モノづくり人材育成プログラム<STEAM to BE>で学んだプログラムを再現するために、企業実習での気づきをチーム運営に活かすこともできた。これまで学んだ一つひとつが、力になっていると感じている。もともと将来は食品系の仕事を視野に入れていたが、今はその枠にとらわれず、自分のアイディアで一人でも多くの人の役に立てる社会人になりたいと考えている。